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デートDV

「デートDVって自分には関係ない?」

ジャパンアライヴに寄せられる悩み相談の背後に、デートDVの問題が見られることがよくあります。DVは思っているよりも実はうんと身近にあるのかもしれません。自分はDVを受けていないと思う人も、自分のやってることはDVではないと思う人も、是非チェックしてみてください!

注:ここで加害者を男性、被害者を女性として記述していますが(実際その場合が圧倒的に多いようです)、逆の場合ももちろんありますので、それぞれの状況にあてはめながら考えてみてください。


DV(ドメスティックバイオレンス)とは…。

DVとは、相手を「自分の思い通り」に動かそうとし、暴力(身体的、精神的、経済的、社会的、性的暴力を含む)をふるうことです。一度セックスしたことで、相手を自分の物だとか考えはじめ、コントロールにつながることがあります。 「好きだから、愛しているから」そうするのだろうと考えて、起こっていることがDVであることに気づけないことが多いようです。

親密な関係になってしまうと、支配や暴力が見えなくなってしまいます。次のチェックリストを使って、自分自身やパートナーの行動をチェックしてみてください。


■デート相手の暴力的態度の見分け方(※)

デート相手は… ?

□あなたのことを「きたない」「バカ」など人をおとしめるいやな言い方で呼びますか。

□あなたが他の用事で会えなかったりすると、自分を最優先にしないと言ってふてくされたり、怒ったりしますか。

□あなたが誰と話すか、家族や友だちの誰といっしょにいるかなど、何でも知りたがって聞いてきますか。

□しょっちゅう携帯に電話してきて、あなたがどこで誰と話したり会ったりしているかチェックしますか。

□怒ったときに物にあたるなど、あなた怖いと感じるような態度・行動をしますか。

□あなたへの怖い態度や行動をしたあと謝ることが多いですか。

□すごくやさしいときと、すごくいじわるでいやな態度のときとが極端ですか。具体的には「俺(私)には君(あなた)しかいない」とやさしく言ったかと思うと、「おまえ(あんた)は本当にばかだ」とばかにしたりするなど。

□ふたりがけんかしたとき、あなたが怒らせるようなことを言ったからだとか言ってあなたを責めますか。

□あなたが何かについて話そうとすると話をそらしたりして、あなたの話をちゃんと聞いてくれないことが多いですか。

□よく約束を破りますか。

□あなたの携帯をチェックして、男(女)友だちのメールやアドレスを消せと命令したり、消してしまったりしますか。

□「僕(私)のことが好きならいいだろう」とあなたが気が進まないことをさせますか。

□あなたの希望や考えを尊重しないで勝手に決めることが多いですか。


DVはケンカじゃない

DVの中には「パワーとコントロール」の構図が存在します。つまり尊重がない上下関係というパワーの関係の中で上の立場に(勝手に)立ってる人がコントロール(暴力、強制、制限など)をかけてくる、という人間関係があるのです。対等な人間関係の下では起こりません。ケンカだったら、お互い悪いところがあって「喧嘩両成敗」ってことになるかもしれません。しかし、DV行為、暴力をふるうという行為は、その決断をした人に100%の責任があります。暴力以外の解決法はいつも必ずあるので、相手がけんかのきっかけを作ったとしてもそれを言い訳にできません。

「私がもっと頑張れば、もっと気をつければ、OO君は変わってくれるの?」

「暴力をふるわれるのはあなたが悪いから」じゃないんです。 

これは相手自身の問題です。今日あなたが怒らせたことを明日しなくても、また別の理由でDVは起きます。相手自身の問題なので、あなたの行動を変えても、根本的な解決になりません。本人が自分のやっていることに真の意味で気づき、変わりたいと心から願い、変わるための努力を持続的に続けていくなら可能性は見えてくるかもしれませんが、どちらにしても、これは彼がやるべき分の話です。被害を受けているあなたが、同時に彼の救い主にもなるということはやはりできないことなのです。身を粉にして相手につくすこと、相手に振り回されて抑えきれない感情をもつこと、これが愛ってわけじゃありません。

愛の土台は「尊重」です

「嫌われたくないから、我慢する」のではなくて、自分の気持ちを正直に伝えられるような関係。「NO」を言うのは悪いことではありません。相手を信頼し、安心しているからこそ、違った意見を言うこともできるのです。相手の気持ちをくみ取りながら長く付き合いを続けると、あなたは自分の気持ちすら分からなくなってしまうほど、心が壊れてしまうかもしれません。

同時に暴力という行為はショック与え、人を混乱させます。もし何もいえなかったとしても、あなたが悪いのでは決してありません。

既に暴力がエスカレートしている場合は、「NO」と言ったり、気持ちを伝えたり、別れを切り出すと、もっとひどい目に会う危険性もあります。誰かに相談したり、警察や相談窓口に問い合わせましょう。

「こんなにひどいことをされているのに離れられないのは、本当は愛しているから」とは思うかもしれません。離れられないのは、「好きだから」以外の理由もあるのです。相手の存在が自分の人生であまりにも大きくなってしまって(境界線の崩壊)、一人になるのを不安に感じている場合や、自分の力が削り取られて抜け出す力が残っていないと「別れられない」と思うかもしれません。また優しさと緊張を繰り返すことでへんなくっつきができていたり(トラウマティックボンディング)する場合もあります。

DVによって受けた心の傷を癒すには、時間がかかるかもしれません。相談できるところを探し、良いサポートを受け、心のケアをする術を学び、一歩一歩回復の方向に歩みだすことは可能です。あなたはとっても大切なものです。本当は、もっともっと優しくされて、大事にされるべき、大切な存在です。

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