出産と育児。普通は一連のことです。しかし、もしかしたら神様が別の道を用意しているのかも知れません・・・。妊娠を強く望んでも子供ができない家族が、日本にはたくさん存在します。予期せぬ妊娠の相談もよく受けますが、それにも増して、「是非とも養子を我が子として育てたい」、という切実な願いが込められたメールも、数多く頂きます。
「産みたいけれど育てられない」・・・そんな時、養子を求めている家族に紹介することができます。
「養子」は決して「捨て子」ではありません。諸事情があってどうしても育てられない中、その命を守り続けて出産する生みのお母さんの決意と犠牲は並大抵のものではありません。そのお母さんが、愛してやまないその赤ちゃんの将来を思い、何が最善なのか考え抜いた上で、特別養子縁組という道へとたどり着いたのであれば、それは素敵なことだと思います。そうやって愛情を注いで自分を産んでくれた母がいたことを、その子は一生感謝することでしょう。
私達ジャパンアライヴは、「ベアホープ(第2種社会福祉事業)」という団体と協力して、「特別養子縁組」のお手伝いをしています。予期せぬ妊娠に悩み、連絡を下さる妊婦さんの中には、養子縁組という道を選ばれる方々もいます。産まれて間もない赤ちゃんは、厳正な審査を受けた新しい家族の元で、さっそく新生活を始めていきます。同時に家庭裁判所に特別養子縁組の申し立てがなされ、裁判所による審査も始まっていきます。つまり、子供は出産後すぐに安定した環境に置かれ、心からその子を愛してくれる家族の元で元気に育って行くのです。
特別養親縁組によくある質問
法的なことやら、細かく言ってしまうと、わけがわからなくなる部分もあるので、なるべく簡単に説明していきます。
Q1. 里親制度と養子制度の違いは何ですか?
一時的に親に変わって養育するのが里親で、一生、本当(法的にも気持ち的にも)の子供として引き取って育てるのが養子縁組です。
Q2. 養子制度もいろいろな種類があると聞きましたが・・・?
そうなんです。養子縁組は「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の二本立てになっています。日本の養子制度というのは、もともと家を守るために発展したところが多いんですね。家に跡取りがいないから、その跡取りをつくるとか、家に女の子しかいないので、お婿さんを貰って養子にするとか、もちろん親のない第三者の子供を養子にするとか、いろんな目的に使われました。でも、今「家のための養子」から「こども自身のための養子」へ、ということが議論され、1988年に法の改正があって、「特別養子縁組」というのが新たに加わりました。
Q3. 普通養子縁組と特別養子縁組の違いは何ですか?
普通養子縁組は、当事者の合意と届け出を経て、家庭裁判所が許可すると縁組成立となります。養子縁組が成立しても、実親との親子関係は存続され、養親との親子関係をつくる、という二重の親子関係となり(つまり「実親と縁を切る」ことにはならず)、実親方の相続権や扶養の義務は残ります。
特別養子縁組は、養親が家庭裁判所に申し立てを行い、調査を受け、縁組の必要性や、6か月以上の監護状況等の考慮した上で、最終的に裁判所が審判を下します。特別養子縁組が成立すると、実親との親子関係は、戸籍上も断ち切られ、養親の戸籍に、養子が「長女」とか「次男」というふうに記載されて編入されます。それにより、子供がより安定した環境の中で、真の親子としての絆を育みつつ成長することができるようにと配慮されています。養子の年齢は6歳未満と定められています(6才未満から事実上養育していたと認められた場合は8才未満まで可能)。
Q4. 自分の子が後になって、本当のお母さんを探し出そうとするなら、見つけることができますか?
特別養子縁組の場合は、戸籍を見ただけでは養子であることがわからないような工夫がされてます。だから養親の「長女」とか「二男」とか、そういう記載になってます。しかし、養子がその実親を知る方法は確保されています。ただ覚えておいてほしいのは、この制度は養子であることが知られないためというよりは、子供のために安定した環境を作りだすことを目的としてくるので、養親による告知が重要であることには変わりません。
Q5. 特別養子縁組に同意しておきながら、産まれてからやっぱり自分で育てることを決めた場合、撤回できますか?
法律によって、養親による6ヶ月の試験養育期間が設けられていてるんですが、この間、実親が養子縁組の承諾を撤回することができます。ただ、養親もこの子の親になるという強い決心のもとに生活し、わが子同然と思って過ごすわけですから、やはり承諾する前によく考えることが大切でしょう。
Q6. 特別養子縁組を選択肢として考えたい場合、どこに相談したらよいですか?
公的機関(児童相談所) と民間の養子縁組あっせん団体の2種類があります。私達ジャパン・アライヴも相談にのります。そして他の団体と協力しながら、その人を心から応援しサポートします。
リンク:
あなたを育てられなくてごめんなさい。
わかってほしいとは思いません。
でも知っておいて欲しいのです。
一生のうち、たった1週間だったけれど、
あなたを生んで退院するまでの
限られた時間のなかで
私の持っている愛情のすべてを
あなたに注ぎました。
それは、まったく足りないけれど、
いままでの私の人生のなかで
味わうことのできなかった
ほんとうにやさしい幸せな時間でした。
そのままどんなに自分の手で育てたかったか。
忘れないでください。
どこにいても、どんなときでも
私の命がある限り
あなたの幸せを願っています。
そして、ちぎれるほどに思います。
あなたがいとおしいと!
~~「その子を、下さい。」特別養子縁組で絆をつぐむ医師、17年の記録 鮫島浩二著
コンコンとノックする音がして
戸が開いた。
その瞬間から私は涙で前が見れなくなった。
職員の方が赤ちゃんを抱っこして
中に入ってこられた。
涙で視界がはっきりしないけど
青い服を着ているのがわかる。
男の子だ!!!
運命の子だ!!!
「ぷー太くんです。3ヶ月になりました。」
おしゃぶりをくわえ、目をくりくりさせた
ちょっぴりプクプクな男の子。
「どっちが先にだっこされますか?」
私はすごく抱っこしたかったのだけど
涙でどうにもならず
先に いも(旦那)が抱っこした。
「へへ かわいい」
いも(旦那)がつぶやく。
そして私が抱っこ。
涙は抑えられない。
「、、やっと会えたね」
そう言って抱きしめて
それから私達は3人家族になった。
苦しかった不妊治療の日々も
全てはこの子に出会うためだったんだなぁって思った。
産みのお母さんはこの日
来ることはなかったが
将来会えるときがきたら連絡しますとのことだった。
この日はじめて親子3人で眠った。
ふと横をみると
かわいい寝顔がある。
夢じゃないかと何度も頬をつねった。
夢じゃない。
出会えたんだね
(不妊治療 もう一つの選択 特別養子縁組)
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